年金生活者が多く住むイギリス南部の海辺の村で、愛猫のビルと暮らすフランクは、
81歳の誕生日、牛乳配達車に轢かれ、腕と足を骨折してしまう。
毎日をつぶすのは、元気な時ですらひと苦労だったというのに。
これからの数週間が、ひどく長いものになるのは確実だ。
そんな彼の生活に、さわやかな一陣の風が吹き込んでくる。
ケリー・クリスマスというホームヘルパーだ。小さな青い車で乗りつける彼女は、
駐車の腕前こそひどいものの、明朗快活でジョークにも笑ってくれる。
ケリーの登場で、フランクの「普通の人生」は突然輝き出すのだが……。
イギリスで、あらゆる世代をとりこにしたユーモア小説の傑作。
著者 J・B・モリソン
ミュージシャン、作家。ロンドン生まれ。パンクポップバンド、カーターUSM(カーター・ジ・アンストッパブル・セックス・マシーン)のシンガー、ジム・ボブとして活躍。小説は本作が3作目、映画の脚本も書いている。