スズキ目イシダイ科
千島列島以南、九州南岸までの浅い岩礁域に生息する。東北以北には大型は少なく、北海道などは幼魚が揚がる。
★ | 条件が揃えば高級魚 |
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★★ | 高級魚 |
★★★ | 超高級魚 |
☆ | 高級魚の凡人 |
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☆☆ | ほぼ達人 |
☆☆☆ | 高級魚の達人 |
イシダイとともに釣りの世界では「石もの」という。外洋に面した岩礁域にいて、ウニやサザエなどと硬い歯で噛み割って食う。 釣りの世界では食の世界以上に人気があり、八十センチを超える老成魚、「口白」は釣り人の憧れである。 イシダイよりも若干、温暖な海域を好み、北海道から沖縄まで水揚げがある。国内では伊豆諸島や紀伊半島、鹿児島県、長崎県、沖縄県などが代表的産地である。 特に八丈島などで突きとった(銛でついてとったもので、刺突漁などという)ものを好む人がいる。一撃で殺すので、うま味が強いというのだ。 イシダイが沖縄にいないのに対して、沖縄に多く、食用魚として人気が高い。 黒と白の石垣を思わせる柄をしており、大きくなると斑紋が消えて口が白くなる。 流通の場では普通の高級魚なのだけど、食用魚としての知名度は低い。人気がないのかというと、根強い人気があり、高値安定で取引されている。 安くはならないという意味では、典型的な高級魚である。 また、磯などにいて、漁獲量が少ないので、一般的な小売店で見かける可能性は非常に低い。 釣り人以外には知名度が低いので、もし本種がそこそこの値をつける高級魚と知っていたら、間違いなく達人級である。 刺身で食べるのが基本である。このために値が張るのである。しかも漁獲後、刺身で食べられる状態(鮮度)が長続きする。料理人にとってこれほどありがたいことはない。 基本的に活魚、活け締めで流通する。非常にしっかりした身質で食感が強く、噛みしめるとじわりとうま味と、とろっとした脂が染み出してくる。 沖縄でも「がらさーみーばい」は人気が高いのだけど、北海道から沖縄までおしなべて高い魚は珍しい。 ※これは未校正、完成した原稿ではありません。 「イシガキダイの刺身、とろうまにゃん」
イラスト・にい きよ
徳島県美馬郡貞光町(現つるぎ町)生まれ。ウェブサイト『ぼうずコンニャクの市場魚貝類図鑑』主宰。40年にわたり、日本全国で収集した魚貝類の情報をサイトにアップし続けている。『からだにおいしい魚の便利帳』(高橋書店)、『ぼうずコンニャクの全国47都道府県 うますぎゴーゴー!』、『すし図鑑』、『美味しいマイナー魚介図鑑』(ともにマイナビ出版)、『イラスト図解 寿司ネタ1年生』(宝島社)など著書多数。